2) 化学物質過敏症に至るまで
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■ CS発症に至る過程も、原因物質も患者ごとに異なる

シックハウス症候群を経て
シックハウス症候群の原因と言われる、ホルムアルデヒドの濃度の高い住環境で発症した患者でさえ、その発症過程では頭痛・だるさ・一過性の下痢といった、
なんとなく不快な症状が単発的に起こる方もいれば、蓄膿症や結膜炎といった粘膜刺激による炎症に慢性的に悩まされる方もいます。
さらに、喘息が悪化し入退院を繰り返す方もれば、重症のアトピーや皮膚疾患などアレルギー的な免疫疾患を思わせる方、呼吸困難で倒れ痙攣や激しい嘔吐などにおそわれる方など、
かなり酷い症状を示す事もあります。原因物質が同じでありながら、患者によって現れる症状が異なります。

原因物質はホルムアルデヒドだけではありません。ホルムアルデヒドの規制が厳しくなったため代替物質としてアセトアルデヒドが使われ出し、最近はその被害の事例も耳にします。他にもトルエン、キシレン、防虫剤や殺虫剤、芳香剤、はては殺菌・除菌剤など清潔をうたう一見安全そうなものまで、原因物質となりうるものはあなたの身の周りに沢山存在しています。

一般的には、外出したり家を離れると症状が消えたり、回復する場合はシックハウス症候群(SHS)と呼ばれ、初期の段階であれば適切な対処次第で、元の生活に戻ることも可能です。しかし、残念な事にこの初期の段階では、シックハウス症候群を発症している事が自覚できない気づかない、あるいは認めようとしません。回復までに長期の時間が掛かる重症化した状態になって、慌てるケースが見うけられます。

自分の家がシックハウスと気づくのは、外出から帰った時室内に隠った異臭(化学物質の臭い)だったり、閉め切った部屋にいると気分が悪くなり症状が現れることからでしょう。この時点の室内化学物質の濃度は、健康な人でも異常感じる程の高い濃度と言えます。このシックハウスに住み続けるために、徹底した換気や室内空気の浄化を行なう事になります。しかし、どんなに頑張ってもそこに原因となる物(建材・散布された薬剤・家具類など諸々)がある限り、完全に室内空気中の化学物質を取り除く事は出来ません。結果的に漫然と低い濃度の化学物質の中で生活せざるおえなくなります。

こうして高い濃度の化学物質に曝露した後、低い濃度の化学物質を繰り返し曝露する事で、その原因となる化学物質に対して過敏性を獲得する事になります。

そうなると、たとえ家を離れてもその場所に微量でも原因となる化学物質があれば何処ででも感作してしまいます。この状態は化学物質過敏症(CS)と呼ばれるものです。さらに病状が進むと原因となる化学物質だけに感作するのではなく、身の回りにある多くの種類の化学物質に対しても感作しだします。これは多種類化学物質過敏症(MCS)と呼ばれます。

シックハウス症候群(SHS)と化学物質過敏症(CS)とを混同しないで下さい。

SHSとCSは、その状態や現れる症状に重なりあう部分がある。発症の過程はシックハウス症候群ではあるが、現れている症状はCSの域に入っている事から私、tamaは「化学物質過敏症」と判断。

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労災としてのCS
工場、建設現場等で扱う原料や資材から出る化学物質を、毎日暴露し続けることでCSを発症するケースもあります。
オフィスをリフォームしたり新社屋に引っ越したことで「シックオフィス」「シックビルディング」と呼ばれる、いわゆる『シックハウス症候群』を発症し、何も職場の改善が行われなかったためCSへと移行する事もあります。

職場で発症したのが本人一人だけの場合では、同僚の理解が得られず孤立したり、雇用主と対峙するため退職を余儀無くされたりします。中には同じ症状が現れているにも関わらず、仕事を失う事を恐れ、症状が出ていることを認めない同僚もいたと聞きます。これはCSと言う病気の恐さの認知度が低いゆえのことです。

労災認定を求め闘っている患者さんもいます。しかし、その公的機関がCSについて知識を持ち合わせていないというのが現状です。かと言って絶望的ではありません。少しづつではありますが被害者への救済の目が向けられています。

環境病 としてのCS
住んでいる地域の環境の悪化が原因の場合もあります。ゴミ処理施設から排出されるガスや、農業地域で頻繁に行われる農薬散布の中で暮らす事でCSを発症するケースもあります。漫然と長期間に渡り暴露し続けるため、発症している事に気付きにくいと聞きます。

同じCSでも有機リン系の物質(農薬など)を原因としたものは、「有機リン中毒」としての対処的治療法があり、他のCSとは若干医療の面で対応が異なります。同じCSと言っても原因となる化学物質によって、薬物(化学物質)の投与という治療が可能なものから、期待出来ないものまであるのです。

あの患者さんに効果があったから私にも効果があるに違いない、などと安易に飛びつきやみくもに治療を試すのは危険です。必ずどんなリスクがあるか確認し、今の自分にそのリスクに耐えられるだけの体力が残っているのかを考えましょう。
私に効果があったから、あの人にも絶対効くはず、などと無責任に勧めるのは感心しません。

複合的なCS
地域環境の悪化と新築でのシックハウスの複合だったり、シックオフィスと自宅リフォームのシックハウスの複合だったり、また原因が3つも4つも考えられる場合もあります。
あるいは、慢性的な体調不良が続き気付いたらCSだったという、大きな確たる原因が思い当たらない患者さんもいらっしゃいます。

2003/09/20(土)UP

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